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50代からの「自分の機嫌」のとり方〜心と体を穏やかにするヒント〜

Tags: 感情ケア, ストレス対策, セルフケア, 心と体, 健康習慣, 50代

50代からの「自分の機嫌」との向き合い方

50代半ばを迎える頃は、体調の変化はもちろんのこと、お子さんの独立や親御さんの介護、仕事上の変化など、生活の中でさまざまな節目を迎える方が多いのではないでしょうか。こうした変化は、私たちの心に少なからず影響を与え、ふとした時に「なんだかモヤモヤする」「わけもなくイライラする」といった、感情の波を感じやすくなることがあります。

「自分の機嫌は自分でとるもの」という言葉を聞いたことがあるかもしれません。しかし、忙しい毎日の中で、つい自分の心の状態は後回しにしてしまいがちです。実は、この「自分の機嫌」を上手に管理することが、心の健康を保つだけでなく、体の健康寿命を延ばすことにも繋がる大切な習慣なのです。

なぜ「自分の機嫌」が心と体の健康に関わるのか

私たちの心と体は密接に繋がっています。心理的なストレスは、体の免疫機能の低下や消化器系の不調、肩こりや頭痛といった身体症状として現れることがあります。イライラしたり、不安を感じ続けたりする状態は、自律神経のバランスを崩し、高血圧や心臓病のリスクを高める可能性も指摘されています。

一方で、心が穏やかで満たされていると感じる時間は、ストレスホルモンの分泌を抑え、心拍数や血圧を安定させ、リラックス効果をもたらします。これは、体の回復力を高め、健やかな状態を保つことに繋がります。つまり、「自分の機嫌」を良い状態に保つ努力は、巡り巡って私たちの体の健康を守ることになるのです。近年の研究でも、心の健康と身体的な健康寿命の間には強い相関があることが示されています。

50代から始める「自分の機嫌」を穏やかに保つヒント

では、具体的にどのようにすれば「自分の機嫌」を上手にケアできるのでしょうか。特別なことではなく、日常生活の中で無理なく取り入れられる小さな習慣から始めてみましょう。

1. 小さな「快」を見つける練習をする

高級なものや特別な出来事だけが私たちを幸せにするわけではありません。日常の中に隠れている、些細な「心地よい」や「嬉しい」に意識を向けてみましょう。

五感を意識して、自分にとって何が心地よいかを観察してみてください。こうした小さな「快」を積み重ねることが、穏やかな心の土台を作ります。

2. 体を少し動かしてみる

心がざわついたり、気分が沈んだりしているとき、じっとしているよりも軽く体を動かすことが有効な場合があります。

無理のない範囲で体を動かすことは、気分転換になるだけでなく、血行を促進し、心身のリフレッシュに繋がります。「疲れているから動きたくない」と感じるかもしれませんが、ほんの少しの動きが心の状態を変えることがあります。

3. 「まあ、いっか」の魔法を使ってみる

完璧を目指しすぎると、うまくいかなかった時に自分を責めてしまい、機嫌を損ねやすくなります。時には頑張りすぎず、自分にも周囲にも「まあ、いっか」と許す気持ちを持ってみましょう。

完璧を手放し、自分や状況を受け入れることで、心がふっと軽くなることがあります。

4. 自分の感情を「観察」する

感情は抑え込むものではなく、感じるものです。「イライラしているな」「悲しい気持ちだな」と、自分の感情を良い悪いと判断せずに、「今、自分はこんな気持ちなんだな」と客観的に観察してみましょう。

感情に気づき、認めるだけで、感情に振り回されにくくなることがあります。ジャーナリング(書くこと)も、感情を整理するのに役立ちます。

5. 何もしない時間を作る

スマホを見たり、家事をしたり、誰かと話したり...。私たちはつい常に何かをしていなければ、と思ってしまいがちです。意識的に「何もしない時間」を作ってみましょう。

脳を休ませ、心に余白を作ることは、心の健康にとって非常に重要です。短い時間でも、意識的に空白を作ることで、心にゆとりが生まれ、穏やかな状態を保ちやすくなります。

小さな一歩から、自分らしいごきげん習慣を

「自分の機嫌」を自分でとることは、わがままなのではなく、自分自身を大切にするセルフケアの一種です。完璧を目指す必要はありません。今日ご紹介したヒントの中から、一つでも「これならできそう」と思えるものがあれば、ぜひ試してみてください。

「自分の機嫌」を自分で上手にケアできるようになると、心は穏やかになり、体もそれに呼応するように健やかになっていくのを感じられるはずです。それは、これからの人生を心身ともに健康で豊かに送るための、大切な土台となることでしょう。