心と体が軽くなる「色の力」〜50代からの暮らしに取り入れる色選びのヒント〜
毎日の暮らしに「色の力」を取り入れて、心と体を心地よく
50代半ばを迎え、ふとした時に心や体の疲れを感じることはありませんか?漠然とした不安や、なんとなく気分が晴れない日もあるかもしれません。そういった心身の小さな変化は、日々の暮らしの中で少し工夫をするだけで、穏やかにしていくことができる場合があります。
健康維持のためには、バランスの取れた食事や適度な運動、質の良い睡眠が大切ですが、実は私たちの身の回りにある「色」も、心と体に静かに働きかけていると言われています。今回は、毎日の暮らしに手軽に取り入れられる「色の力」に注目し、心と体が軽やかになるためのヒントをご紹介します。
色が私たちの心と体に与える影響
色は単なる視覚情報としてだけでなく、私たちの心理状態や生理的な反応にも影響を与えることが知られています。
- 心理的な影響: 色彩心理学の観点から、特定の色を見ると人は様々な感情やイメージを抱きます。例えば、暖色系の赤やオレンジは活気や温かさ、興奮といった感情と結びつきやすく、寒色系の青や緑は落ち着き、安らぎ、集中といった感情を呼び起こしやすいと言われています。中間色の黄色は明るさや希望、紫は神秘性や高級感など、それぞれの色が持つ象徴的な意味もあります。
- 生理的な影響: 色によっては、心拍数や血圧、脳波などに影響を与える可能性が研究で示唆されています。例えば、暖色系の色は体を活動的にする方向に、寒色系の色はリラックスさせる方向に働くといった報告があります。
このように、色は知らず知らずのうちに私たちの心に作用し、その心の状態が体の調子にも影響を及ぼすと考えられます。心地よい色に囲まれていると心が安らぎ、リラックス効果から体の緊張が和らぐといった好循環が生まれる可能性が期待できます。
暮らしに取り入れる「心地よい色」のヒント
では、具体的にどのように「色の力」を毎日の暮らしに取り入れれば良いのでしょうか。大きな模様替えをする必要はありません。まずは、身近なところから意識してみましょう。
1. 家の中の小さな空間から
- リラックスしたい場所に: リビングや寝室など、ゆったりと過ごしたい場所には、青や緑、薄い紫といった寒色系や中間色の穏やかなトーンがおすすめです。壁全体を変えるのが難しければ、クッションカバーやブランケット、カーテンの一部、小さな絵や写真を飾ることから始めてみましょう。
- 活動的になりたい場所に: キッチンや家事をするスペースには、オレンジや黄色といった暖色系や明るい色がおすすめです。ランチョンマットやエプロン、キッチンツールなどに好きな色を取り入れることで、家事のモチベーションが少し上がるかもしれません。
- 落ち着きたい場所に: 玄関や廊下など、気持ちを切り替えたい場所には、グレーやベージュ、アースカラーなどの落ち着いた色が適しています。小さなマットやスリッパの色を変えるだけでも印象が変わります。
2. 身につける色を意識する
毎日着る服や小物に色を取り入れることも効果的です。
- 気分を上げたい時: 好きな色のトップスやスカーフ、アクセサリーを身につけてみましょう。色が持つエネルギーが、自然とあなたの気持ちを明るくしてくれるかもしれません。
- 落ち着いて過ごしたい時: グレーやネイビー、ベージュなど、穏やかな色合いの服を選ぶと、心が落ち着き、安心して過ごせるでしょう。
- 人に会う時: 相手に与えたい印象に合わせて色を選ぶことも可能です。例えば、親しみやすさを感じさせたいならオレンジや黄色、誠実さを感じさせたいなら青、穏やかな雰囲気にしたいならグリーンなど。
3. 自然の色を取り入れる
外に出て自然の色に触れることも、心と体の健康にとても良い影響を与えます。
- 公園の緑や空の青を眺める。
- 季節の花や植物を部屋に飾る。
- 窓の外の景色に意識的に目を向ける。
自然の色は、私たちに安らぎと活力を同時に与えてくれる特別な力を持っています。
自分にとっての「心地よい色」を見つけよう
色の効果には一般的な傾向がありますが、最も大切なのは「あなたが心地よいと感じる色」を選ぶことです。過去の経験や記憶によって、特定の色に特別な感情を抱くこともあります。
「この色を見ると元気が出るな」「この色に囲まれているとホッとするな」
そういった自分自身の感覚を大切にしてください。無理に流行の色を取り入れたり、一般的な効果だけにとらわれたりする必要はありません。まずは、あなたが「好きだな」「見ていて落ち着くな」と感じる色を、小さなアイテムから暮らしに取り入れてみましょう。
まとめ
毎日の暮らしの中にある「色」は、意識することで私たちの心と体に穏やかな良い変化をもたらしてくれます。心と体が軽やかになるような、ご自身にとって心地よい色を少しずつ暮らしや身につけるものに取り入れてみることは、健康寿命を延ばすための一つの優しいアプローチと言えるでしょう。
難しく考える必要はありません。お気に入りの色のマグカップで飲み物を飲む、好きな色のペンを使う、部屋に小さな花を飾るなど、本当に小さな一歩から始めてみてください。色の力が、あなたの毎日を少しでも明るく、心穏やかにするお手伝いになれば幸いです。