心と体が軽くなる!50代からのデジタルとの健康的な距離感
毎日触れるデジタル、心と体への影響はありませんか?
スマートフォンやパソコンが生活に深く根付いた現代。知りたい情報にすぐにアクセスでき、離れて暮らす家族や友人とも手軽につながれる便利さは、私たちの生活を豊かにしてくれています。一方で、常に新しい情報が飛び込んできたり、他人の生活が目に飛び込んできたりすることで、知らず知らずのうちに心がざわついたり、なんだか疲れてしまったりすることはありませんでしょうか。
特に50代を迎える頃からは、心身の変化も感じやすくなる中で、デジタルデバイスとの付き合い方が、私たちの心と体の健康に影響を与える可能性も指摘されています。「ココロカラダ健康ガイド」では、「心の健康が体の健康寿命を延ばす」という考え方を大切にしています。今日は、デジタルとの健康的な距離感を保つことで、心と体を休ませ、より健やかな毎日を送るためのヒントをご紹介いたします。
なぜデジタルとの距離が必要なの?心と体への影響
便利であるはずのデジタルデバイスが、なぜ心身の負担になることがあるのでしょうか。いくつか理由が考えられます。
1. 脳の疲労と集中力の低下
常に新しい情報や通知に触れていると、脳は絶え間なく刺激を受け続けます。これにより脳が十分な休息を取れず、疲労が蓄積したり、一つのことに集中することが難しくなったりすることがあります。まるで、たくさんの窓を開けっぱなしにしたパソコンが重くなるような状態です。
2. 情報過多によるストレス
インターネット上には膨大な情報があふれています。健康に関すること一つをとっても、様々な情報があり、どれが本当に自分に合っているのか判断に迷うことも少なくありません。また、SNSなどで他者の「キラキラした部分」ばかりを見ると、自分と比較して落ち込んだり、焦りを感じたりすることもあります。このような情報過多や比較は、知らず知らずのうちにストレスとなり、心に負担をかけてしまう可能性があります。
3. 睡眠への悪影響
夜遅くまでスマートフォンの画面を見ていると、画面から発せられるブルーライトが脳を覚醒させ、寝つきが悪くなったり、睡眠の質が低下したりすることが近年の研究でわかっています。質の良い睡眠は、心身の疲労回復にとって非常に重要です。睡眠不足は、体の不調だけでなく、イライラしたり、気分が落ち込んだりといった心の状態にも影響を与えます。
4. 体の不調
長時間同じ姿勢で画面を見続けたり、小さな画面に集中したりすることは、肩こり、首こり、眼精疲労の原因となります。また、運動不足につながることもあり、結果として体の健康にも影響を及ぼすことがあります。
これらの心身の疲れは、長期的に見ると、活動量や意欲の低下につながり、心の健康を損なうだけでなく、体の健康寿命にも影響を及ぼす可能性があると考えられています。
心と体が軽くなる!デジタルとの健康的な距離感を保つヒント
では、どのようにデジタルとの健康的な距離感を保てば良いのでしょうか。すぐに全てを変える必要はありません。ご自身のペースで、できそうなことから少しずつ試してみることが大切です。
1. 「時間」を決めてみる
- 利用時間を意識する: 一日にどれくらいデバイスを使っているか、まずは意識してみましょう。スマートフォンの設定で利用時間を確認できる機能もあります。
- 「ここまで」と区切りをつける: 例外はあるとしても、「夜9時以降はスマホを見ない」「朝起きてすぐには触らない」など、自分なりのルールを決めてみるのも有効です。
- アプリの使用時間制限を活用する: 特定のアプリについ時間を使ってしまう場合は、スマートフォンの機能で利用時間を制限してみるのも一つの方法です。
2. 「場所」を決めてみる
- 食事中はテーブルに置かない: 家族やご自身の食事の時間を大切にするために、意識的にデバイスから離れてみましょう。
- 寝室に持ち込まない: 質の良い睡眠のためには、寝室をデバイスの「持ち込み禁止エリア」にすることが推奨されています。目覚まし時計は別のものを使うようにするなどの工夫も有効です。
3. 「通知」を整理する
- 不要なプッシュ通知はオフに: 必要最低限のものだけを残し、頻繁に来る通知はオフにすることで、集中を妨げられたり、気になったりする回数を減らせます。
- メールチェックの時間を決める: 「一日に〇回だけチェックする」など、受信するたびに確認するのではなく、時間を決めてまとめて処理することで、他のことに集中する時間を確保できます。
4. 「目的」を意識する
- 何のために開いたか確認する: つい目的なくダラダラと見てしまうことを防ぐために、デバイスを開く前に「何をするために開くのか」を意識してみましょう。
- 「見る」時間と「使う」時間を分ける: 受動的に情報を見るだけでなく、調べ物や連絡など、能動的に「使う」時間を意識的に作ることも大切です。
5. 「休息」の時間を設ける
- 意図的な「デジタルオフ」の時間を作る: 短時間でも良いので、意識的にデバイスから完全に離れる時間を作りましょう。お風呂に入っている間、散歩に出かける間など、普段から「デジタルオフ」にしている時間を大切にするのも良い方法です。
- デジタル以外の活動を取り入れる: デジタルから離れた時間で、読書、手芸、料理、ガーデニング、軽い運動など、心が安らぐと感じる活動や趣味の時間を持つことは、心身のリフレッシュにつながります。
6. 「情報源」を選ぶ
- 自分にとって心地よい情報を選ぶ: 無数の情報の中から、信頼できるもの、自分にとってポジティブな影響を与えてくれるものを選ぶ意識を持ちましょう。
- ネガティブな情報から距離を置く: 見ることで気分が落ち込んだり、不安になったりするような情報からは、意識的に距離を置くことも、心の健康を守る上で大切です。
小さな一歩から、心と体を労わるデジタルとの付き合い方へ
これらのヒントを全て一度に実践しようとすると、かえって負担になるかもしれません。まずは一つ、今日の生活で「これならできそうかな?」と感じたことから試してみてください。「食事中の5分だけスマホを見ない」「寝る前の30分は画面を見ない」など、本当に小さな一歩で大丈夫です。
デジタルとの健康的な距離感を保つことは、忙しい毎日のスイッチをオフにして、心と体を休ませる時間を作ることに繋がります。心のゆとりが生まれれば、体の声にも耳を傾けやすくなり、ご自身の健康をより大切にできるようになります。
デジタルとの付き合い方を見直すことは、自分自身を労わる大切な一歩です。完璧を目指すのではなく、心地よいと感じるペースで、心と体が喜ぶデジタルとの距離感をぜひ見つけてみてください。